紹介
彼らは言った。私が彼らの失った人にそっくりだと。白石梨花。三年前に行方不明になった、彼らにとって最愛の人に。
その夜、彼らは私を連れ去った。逃げようとしたが、すべての試みは失敗に終わった。
六か月間、彼らは私に彼女の服を着せ、夕食では彼女の席に座らせ、彼女の名前で呼び、私にキスする時は目を閉じていた。私は息をする人形、彼らが触れることはできても決して本当に見ることのない身代わりだった。
しかし時が経つにつれて、何かが変わり始めた。雅人は私のコーヒーの飲み方が彼女と違うことに気づいた。涼介は彼女のロマンス小説ではなく、私にミステリー小説を持ってきてくれた。勇次は私の笑い声にもう身をすくめなくなった。蓮は私の皮肉に本当に微笑むようになった。
彼らは私の名前を呼ぶようになった。美月と。彼女の名前ではなく。
私は自分が優しさという幻想に心を奪われていることに気づいた。この歪んだ監禁生活が本物の何かになり得ると、自分に言い聞かせそうになっていた。
梨花からの助けを求める電話がかかってくるまでは。
チャプター 1
彼らに奪われてからというもの、私だけの夜など、一夜たりともありはしない。
ある夜は雅人と勇次、ある夜は涼介と蓮。だが、今夜のように彼らが寄ってたかって私を貪る夜がほとんどだ。貪欲で執拗で、私は自分が誰なのかわからなくなるほどだ。
雅人は私をベッドの中央に押し倒し、膝で強引に太ももをこじ開けた。彼は待たなかった。一突きで、根元まで激しく打ち付けたのだ。太い肉棒が私を限界まで広げ、鈍い亀頭が子宮口を押しつける。叫ぼうとして口を開けた時には、既に涼介がそこにいた。髪を掴まれ、亀頭が喉の奥に当たるまで口内へ押し込まれる。二本の肉棒が同時に私を満たす。容赦なく。
雅人は激しく、速く腰を振った。亀頭だけを残して引き抜き、また叩き込む。腰がぶつかるたびに、濡れた音が響き渡る。彼の指が私の内腿の柔らかい肉に食い込んだ。涼介は私の頭を固定し、口の中で出し入れを繰り返す。しょっぱい先走りが舌を覆い、涎が顎を伝って溢れ落ちた。
前触れもなく、彼らは入れ替わった。涼介が私を四つん這いにし、腰を高く持ち上げ、後ろから突き入れた。突くたびに、彼の睾丸が充血したクリトリスを叩く。雅人が再び私の髪を掴み、自分のものをくわえさせる。それは涼介の唾液と、私自身の愛液でまだぬめっていた。私は三人の混じり合った味を感じた。濃厚で、麝香のような味が口いっぱいに広がる。
私が先にイッた。ナカが激しく収縮して締め付け、涼介が唸り声を上げて中に注ぎ込む。熱い脈動が深くに溢れた。数秒遅れて雅人が続き、喉の奥に濃厚な白濁を放ちながら、舌の上で肉棒を震わせた。飲み込めるだけ飲み込んだが、残りは口の端から溢れ出し、シーツにポタポタと垂れた。
彼らが抜き、私は崩れ落ちた。足は無様に開かれたまま、秘所はまだ脈打ち続け、彼らの混ざり合った精液がゆっくりとクリーミーな波となって溢れ出す。それは尻を伝い、ベッドをぐっしょりと濡らした。
体はまだ震えていた。小さな余韻が波紋のように走り続けている。雅人の胸が私の左側で上下し、彼の腕が私の腰に重く乗っていた。涼介は私の背中に密着し、首筋に温かい息を吹きかけている。
雅人が動き、肘をついて体を起こした。指先が私の肩で怠惰な円を描く。そのあまりの優しさに、喉が詰まった。半年前、この同じ手が、バイト先のレストランの外で私を捕まえ、叫ぶ私を車に押し込んだのだ。半年前、私は牧野美月だった。大学のために貯金をしている、普通の女の子。今、私はただここにいる。このベッドの中、時折「家」のように感じてしまう、この牢獄に。
「美月」
雅人が囁き、私の額に唇を押し当てた。キスは長く、柔らかく、慎重だった。
「なあ。俺たち、こんなに心が安らいだのは数年ぶりだよ」
心臓が愚かにも反応し、トクンと跳ねた。彼は「梨花」ではなく、私の本当の名前を呼んだのだ。
答えたかったが、声が出るか自信がなかった。この数週間で、何かが変わった。彼らはもう私に梨花の服を着せないし、夕食時に彼女の椅子に座らせることもしない。私に触れる時、まるで別人だと思い込むように目を閉じることもしなくなった。彼らは今、私を見て、私の名前を呼ぶ。
涼介の腕が背後から強まり、私を強く引き寄せた。
「ここにいろ」彼は私の髪に顔を埋めて呟いた。「逃げることなんて考えるな。俺たちが守ってやるから。美月、約束する」
私を守る? 私は彼らから守られるべき存在だったはずなのに。
ああ、でも。彼の言い方があまりに真剣で、私はそれを信じたいと切実に思ってしまった。
もしかしたら、私はただの身代わりじゃなくていいのかもしれない。もしかしたら、彼らはついに私を――本当の私を見てくれているのかもしれない。
小さな変化には気づいていた。
雅人は、梨花がコーヒーをブラックで飲むのに対し、私は砂糖を二つ入れて飲むことを覚えてくれた。涼介は、梨花の本棚に並んでいた恋愛小説ではなく、ミステリー小説を持ってくるようになった。私の笑い方が彼女と違うからといって、勇次が顔をしかめることもなくなった。私が皮肉を言っても、蓮はまるで私が何か禁忌を犯したかのように黙り込むのではなく、苦笑するようになった。
先週、雅人は私が庭で本を読んでいるのを見つけた。庭師の植田さんが貸してくれた、地元のの野草図鑑だ。雅人は私の隣に座り、私が何を読んでいるのかに純粋な興味を示し、どの花が一番好きかと尋ねてきた。彼は春になったら植えられるようにと、花の種まで取り寄せてくれたのだ。
春。それはつまり、春になっても私がここにいることを、彼らが想定しているということだ。その考えは私を恐怖させるべきだったのに、代わりに胸の中に温かい何かが花開くのを感じてしまった。
「考え事の声が聞こえてきそうだ」
涼介が静かに言い、親指で私の腰を優しく撫でた。
「頭の中で何が起きてるんだ?」
私は、自分を誘拐した犯人たちに恋をしてしまっているのかもしれない、と考えている。愛情にあまりにも飢えすぎて、監禁されているこの状況を、大切にされているのだと勘違いしているだけなのだと、考えている。
けれど、口から出た言葉は違った。
「なんでもない。ただ……心配しないで」
そして何より恐ろしいのは? 両側から彼らの体温に包まれ、優しい手つきと安定した呼吸を感じているその瞬間、その言葉が本心になりかけていたことだ。
ナイトスタンドの上で雅人のスマホがブーッと震えたが、彼は無視した。
涼介が私の肩甲骨にキスを落とし、さらに首筋へと唇を這わせた。私が身震いすると、彼は満足げに喉を鳴らした。
「寒いか?」
「ううん」寒くなんてない。むしろ熱いくらいだった。
今夜だけは、夢を見ることを自分に許そう。彼らとは別の形で出会ったのだと。私が自ら望んでここにいるのだと。彼らがその強烈で飢えた瞳で私を見る時、そこには白石梨花ではなく、牧野美月だけが映っているのだと。
雅人の呼吸が整い始め、彼の手は私の腰に置かれたままだった。涼介は既に眠りに落ちていて、私の背後で温かい壁となっていた。彼らの間に挟まれて、本来なら罠にかかった獲物のように感じるはずなのに、私は安心感を覚えていた。
ああ、なんて惨めなんだろう。それでも私は動かなかった。雅人の腕の重みと、涼介の呼吸のリズム、そして月明かりが全てを夢のように見せているこの光景を、記憶に刻みつけるようにじっとしていた。
もしかしたら明日も、彼らは同じように私を見てくれるかもしれない。もしかしたら明日は、ただの白石梨花に似ている女じゃなくなるかもしれない。もしかしたら明日は――。
ドアを叩く激しい音が、全てを粉々に打ち砕いた。
雅人が弾かれたように目を覚まし、即座に体を起こした。涼介も上半身を起こし、瞬時に警戒態勢に入る。その動きは、彼がかつて自衛隊にいたことを思い出させた。心臓が早鐘を打ち、束の間の平穏は霧散した。
「雅人! 涼介!」
ドア越しに勇次の声が響く。鋭く、切迫していた。
「出てきてくれ! 今すぐだ!」
雅人はすでにズボンを履き始めており、指がもどかしそうにボタンを留めていた。涼介はベッドから転がり出るとシャツを掴んだ。二人とも、私を見ようとはしなかった。
私はシーツを体に巻き付け、彼らの後を追ってドアへと向かった。冷たい床の上、裸足の足音は響かない。雅人がドアを乱暴に開ける。そこには、顔面蒼白でスマホを握りしめた勇次が立っていた。
「何があった?」涼介が問い詰める。
勇次の目は大きく見開かれ、狂気を帯びていた。
「梨花だ。たった今、電話があった。彼女、生きてたんだ」
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