第27章彼の吠え声を聞きたくない

ドアが開く音に顔を上げたヘンリーの目には、優しく面白がるような光が微かに宿っていた。

「ごめんなさい、来る途中、少し道が混んでいて」ソフィアは椅子を引いて腰を下ろした。「ここ、とても素敵な雰囲気のお店ね」

ヘンリーは頷き、手慣れた様子で彼女のカップに茶を注いだ。「ほら、まずはお茶でもどうぞ」

彼女はそれを受け取って一口飲むと、メニューを手に取った。「もう注文は済ませたの?」

「ああ。君の好きなワインも二本頼んでおいたよ」

ソフィアは微笑んだ。

最後に一緒に食事をしてから随分と経つというのに、ヘンリーは今でも彼女の好みを覚えていてくれたのだ。

料理を待つ間、二人は何気ない会話を交わ...

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