第100章 通常通りの進行

「……正常に進める、ですって?」

エヴァはタオルを握った手をぴたりと止め、眉間に深い皺を刻んだ。

「あの島には変異モンスターがいる。ほかのゲストとスタッフを、囮にして置き去りにするつもり?」

セバスチャンは手にしたウイスキーを軽く揺らす。氷がグラスの内側に当たって、からん、と乾いた音を立てた。

「契約は交わした。違約金は高い。それに、ここで中止したら……アーサーに『俺が生きて戻った』と確信させる」

人の命をチップみたいに扱う計算。財閥の論理では、それが当たり前なのだろう。

「電話、貸して」

エヴァが手を差し出す。

セバスチャンは理由も聞かない。カウンター下の引き出しを探り、黒...

ログインして続きを読む