第105章 包囲

セバスチャンは眉をひそめた。

「資金源は割れたか」

「割れました」オペレーターの声が、どこか引っかかる調子に変わる。「送金元のIPが……要塞の内部です。正確には、地下2階の医務室」

セバスチャンは椅子を蹴る勢いで立ち上がった。

「それと……」オペレーターが唾を飲み込む気配。「買収コードの最下層プロトコルに、メッセージが残ってます」

「読め」

「『キルスティールすんな。アーサーは俺のだ』」

セバスチャンは暗号回線を叩き切り、金属階段を蹴るようにして地下2階へ駆け下りた。

医務室のドアを押し開ける。

ベッドの女は、眠ってなどいなかった。

エヴァは金属のヘッドボードにもたれ、左...

ログインして続きを読む