第48章 絶対的な庇護

エヴァは水の入ったグラスを置いた。ガラスの底が大理石のカウンターに触れ、澄んだ「コトン」という音が響いた。

クロエを見る目に、温度は一欠片もない。

その「相手にされていない」という態度が、クロエの理性へ火をつけた。

「今日こそそのツラ、引き裂いてやる!」

クロエが大股で詰め寄り、右手を高く振り上げる。エヴァの頬へ、容赦なく叩きつけるつもりで。

ぶん、と風が鳴った。力任せの一撃。

――だが、エヴァは避けない。

左手が鋭く跳ね上がる。

正確に。冷酷に。

半空で、クロエの手首を掴み取った。

指が締まる。

「ぎゃっ――!」

クロエの喉から悲鳴が漏れる。エヴァの掌が骨を押さえ込...

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