第53章 お前の思うままに動かせる

コアライン・デザインアドバイザー――その席は五年も空席のまま、世界のトップデザイナーが血眼で奪い合っても、誰ひとり手が届かなかった。

それを今、ヴィクトリアは素人同然の人間に、いきなり叩きつけた。

エヴァが口を開くより早く、セバスチャンが一歩前へ出た。エヴァの前に立ちはだかり、長い腕を伸ばして抱き寄せる。幅広の仕立てのいいスーツが、彼女の身体の大半を容赦なく包み込んだ。

「彼女は行かない」

ヴィクトリアを真正面から見据えたまま、声は氷みたいに硬い。

ヴィクトリアが眉をひそめる。

「私は、彼女に話してるのよ」

「体力を使い果たしてる。休ませる」

一歩も引かない。

息子の露骨な...

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