第55章 飛行機が爆発した

テールローターの回転数が、いきなり落ちた。機体は一瞬でバランスを失う。

「ピッ――ピッ――ピッ――」

コクピットに、赤い警報音が甲高く響き渡る。メインモニターには故障コードが雨あられと弾き出された。

ヘリは空中で狂ったようにスピンを始める。高度計の数字が崖みたいに落ちていく。

3000フィート。2000フィート。1000フィート。

ふわり、と臓腑が浮いた。胃の中がひっくり返るような失重感。

パイロットは失血で顔面が真っ青だった。

それでも死の恐怖が、彼の手を操縦桿に縫い付ける。両手で必死に握り込み、足でテールローターのペダルを踏み抜く勢いで踏み替え、なんとか機体を立て直そうとす...

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