第67章 ルールの書き換え

空気が、すっと凍りついた。

セバスチャンは影の中で手を止める。手にしていた木杭が、ぽとりと砂へ落ちた。顔を上げたその瞳は、底まで冷え切っている。

「……」

乾いた嘲笑が喉の奥で鳴った。右手に握った軍用ナイフの甲に、ぶつりと青筋が浮く。

立ち上がった瞬間、サブコントロールルームにいる連中へ叩き込むつもりだった。何が「ルール」だ。書き換えるのは、いつだってこちらだ。ヴァンスグループは、脅しで動かない。

そのとき――横から、手が伸びた。

エヴァがセバスチャンの隣へ歩み寄り、指を二本だけ、軽く彼の張りつめた手首へ置く。ほんのわずかに、押し下げる。

セバスチャンの動きが止まった。首だけを...

ログインして続きを読む