第78章 好意を示す

リアムが、一瞬だけ動きを止めた。

その隙を逃さない。エヴァが動く。左手で地面を突き、腰を鋭くひねると、右脚が風を切って横薙ぎに走った。

「ぱんッ!」

軍靴がリアムの手首を容赦なく蹴り抜く。ペイント弾の銃が手から弾け、遠くの茂みへすっ飛んでいった。

「ぐぁっ!」

悲鳴と同時に、リアムの巨体がバランスを崩してのけぞる。エヴァは跳ね起きるように距離を詰め、左手で後頭部――正確にはうなじを掴み、右膝を折り畳んで腹へ叩き込んだ。

反動を殺さない。エヴァの両手が下へ押し込む。

「どんっ!」

リアムは顔から泥沼へ突っ伏した。腐った水がばしゃりと跳ねる。助けを呼ぼうと口を開いた瞬間、腥く腐臭...

ログインして続きを読む