第80章 選び終えた

「本当に決めるまでは、誰にも言わない」

エヴァは枝を放り捨てた。

「手の中に“脅し”を握ってるほうが、使い切るより価値がある。名簿を出した瞬間、みんな安心して気が緩む。私はずっと、緊張させておきたいの」

セバスチャンが低く笑う。折りたたみナイフをしまい、風に乱れたエヴァの髪を指先でそっと整えた。

「賢いな」

耳元へ身を寄せ、熱い息を落とす。

「ますます知りたくなる。おまえの頭の中で、まだ何を計算してる?」

エヴァは顔を背けて、その手を避けた。声は凪いだまま。

「この島で、最後まで生き残る算段よ」

セバスチャンは無理に追わない。木杭にもたれ、揺れる炎を深い目で見つめた。

翌...

ログインして続きを読む