第93章 肉体警報器

ジャングルの奥深くで、枝が折れる乾いた音が鳴った。ざわ……ざわ……と、葉擦れが遠くから近づいてくる。

エヴァはナイフを握り直す。腰を上げ、視線を闇の濃い一角へ据えた。

茂みの向こうで、緑の縦長の瞳が十数対、ぱちりと灯る。低い嘶きがいくつも重なり、夜風に乗って濃厚な生臭さが流れてきた。

足音が迫る。セバスチャンが音もなくエヴァの背後に現れる。二人は背中を預け合い、即座に最高警戒へ切り替えた。セバスチャンの手には先端を削った太い木の槍。もう片方の手で、マルチツールナイフを弄ぶ。

「数が多いな」

声は平坦。未知の生物を前にしても、焦りの欠片もない。

「十二。中型、群れ。左に三、回り込み...

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