第95章 キャンプ地の救援

エヴァは左脚を一歩踏み出し、重心を沈めた。右手のナイフを指先でくるりと半回転させ、逆手で握り直す。視線は変異モンスターの頸の継ぎ目へ。金属の鱗に覆われていない、唯一の隙。

――その瞬間。

キャンプ地の方角から、警報が鳴り響いた。

キャサリンが金属パイプを叩くリズムが、完全に崩れている。つまり、キャンプが致命的な脅威に晒されているということだ。

エヴァは迷わなかった。突きを放つ直前の動きを、力づくで止める。つま先で泥を蹴り、身体を左へ半メートル滑らせた。

変異モンスターが空を掴む。太い前脚が泥をえぐり、深い溝を二本――ざりっ、と刻んだ。腐葉土が弾け、腐った葉と泥が四方へ飛び散る。

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