第96章 彼女を救う

両目が赤く光り、エヴァをねっとりと睨み据える。背中には、はっきりわかる骨の棘が何本も逆立っていた。

変異犬は、すぐには飛びかかってこない。身を低くし、エヴァの周りをじりじりと回り込む。隙を探っている。

エヴァの手元に残っているのはナイフ一本だけ。彼女はその場から動かず、変異犬の動きに合わせて身体をわずかに回し、常に正面を向けて迎え撃つ。

反対側にはセバスチャンがいた。手には、赤黒いものに染まった金属片。変異犬がジャングルへ引き返すルートを塞いでいる。

言葉はない。視線も交わさない。だが立ち位置だけで、完璧なクロスファイアが出来上がっていた。逃げ場は、もうどこにもない。

次の瞬間――...

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