第99章 私の寝室

「ここは俺の寝室だ。客室のシャワーを借りる趣味はない。誰かの順番待ちをする気もない」

セバスチャンはそう言いながら、三つ目のボタンを外した。シャツを肩から抜き、くしゃりと丸めて汚れ物籠へ放り投げる。

露わになった上半身には、古い傷痕が何本も走っていた。だが、それはむしろ肉体の迫力を削ぐどころか、いっそう際立たせる。広い肩。絞られた腰。盛り上がる筋肉の一つひとつに、爆発寸前の力が詰まっている。

エヴァは半歩退き、背中を洗面台に預けた。

「なら、私が洗い終わるまで待って」

視線は彼の動きから外さない。

セバスチャンが一歩詰める。距離は十センチもない。彼はエヴァの左腕――血の滲む包帯へ...

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