第117章

「お会いできて光栄です!」

アランはそう言って、差し出された手を握り返した。

向かいにいるのは、テレビで見慣れたあの顔だ。微笑みはそのままに、掌は温かく、力強い。

「こちらこそ」

相手は素早くアランを見た。深くて、それでいて親しみのある一瞥。たったそれだけで距離が縮まり、まるで最初から近しい間柄だったかのような錯覚を覚える。

アランはほとんど即座に悟った。

この男は、身振りひとつで場を動かす。

手を離すと、ディランが言った。

「まずは少し話そう。それから食事にしよう」

書斎へ通され、ソファに向かい合って腰を下ろす。

相手は自分より二、三インチほど背が低いはずなのに、座れば...

ログインして続きを読む