第137章

部屋の中には、長い沈黙が落ちていた。

しばらくして、ネロはまた、あのインディアンの英語を耳にした。厚い唇の奥から、単語がゆっくりと吐き出される。どこか、微妙に歪んだ響き。

「護符が要るか? 災いを避けるやつだ。金はそう取らねえ」

どこからともなく風が吹き込み、ネロはふっと意識が冴えた気がした。

「いえ、結構です。ありがとうございます」

礼儀正しくうなずき、立ち去ろうとした、その瞬間。

インディアンの男が、いきなりネロの腕を掴んだ。指が食い込み、痛いほど強い。

驚いて顔を上げると、呪術師の顔が、息がかかる距離にあった。

「若い人よ。最後にひと言だけ忠告しておく」

しゃがれた声...

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