第16章

玄関先に見慣れないセダンが停まっているのを見て、アランは本能的に警戒した。減速もせず、海辺の別荘の脇をそのまま走り抜ける。

夜の別荘は黒々と沈み、二階の片隅だけがかすかに灯っていた。

通り過ぎざま、アランにはもう分かった。一階の闇の中――十数人の護衛が要所を押さえている。歩き方と、肩の下にちらつくホルスター。善意の来客じゃない。

胸の底がすうっと冷える。毛穴が一斉に硬くなるみたいだった。

こいつらは、さっき移送した保護対象を狙っているのか。それとも別件か。――中の連中は、無事なのか。

アランは車で大きく回り込み、別荘の反対側、少し離れた岩礁の陰に静かに停めた。エンジンを落とし、拳銃...

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