第176章

ネロは銃声を聞くなり、真っ先に焦って駆け上がった。地面に広がる光景を見て、足が止まる。

アランは少年の傍らに膝をつき、顔を上げてネロを見た。

谷間では、風がまた吹き始めていた。

****************

警察署の正面玄関。

まるで一世紀でも経ったみたいに感じたのに、ネロが時間を確かめると、まだ7時を少し回ったところだった。4時半、二人で狂ったみたいに車を飛ばしてネロの家を出てから、まだ3時間も経っていない。

さっきは山の麓の小さな診療所で応急処置だけ済ませ、すぐ署へ引き返した。

ネロとアランにはそれぞれ数か所、弾がかすった傷がある。大したものではない。比較的ひどかったの...

ログインして続きを読む