第181章

ネロは、教官からの突然の指名に備え、訓練中の不意打ちに備え、緊急集合に備え――それだけじゃ足りなかった。ほかにも警戒すべきものがある。とりわけ、いちばん用心しなければならないのは、自分自身だった。

周りは屈強で背の高い男ばかりだ。彼らは時に互いを誇示し合い、時に人目を避けて、乱暴なじゃれ合いをする。

何気ないひと言。何気ない仕草。

それだけで、ネロの胸の奥がひゅっと縮むことがある。

だから彼は、細心の注意で自分を隠し、抑え、あるいは無理やり平静を装って視線を逸らし、見なかったことにするしかない。

――それ以上に厄介なのは、寮で避けようのない「ルームメイトと二人きりの時間」だった。

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