第188章

……11時40分。別荘現場の後片づけは、すべて終わった。

ネロは指揮センターの小さな個室で、ひとり肩をすぼめて座っていた。顔を上げれば、ガラス越しに見えるのは――無残に壊れた別荘の残骸。

ネロはまた視線を落とす。耳の奥では、さっきのファルコン警官の叱責がまだ反響していた。訓練基地で図面を渡してくれた、あの警官だ。言われたことが正しいのも、分かっている。

「ねえ、温かいのでも飲む?」

聞き覚えのある声に、ネロははっと顔を上げた。地元警察の技術員――この場にいる人間の中で、唯一の女性。

年は若くない。褐色のショートヘアが耳元にかかっていて、きびきびした雰囲気だ。紙コップを手に、にこりと...

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