第23章

バーの前。雨上がりの空気がやけに澄んでいて、夜の帳が通りの汚れを覆い隠していた。舗道のあちこちにできた水たまりが、入口の庇に灯る派手なネオンをゆらゆら映す。騒がしい音楽は扉の向こうに押し込められ、漏れては消え、また滲んでくる。

入口で、ウィリとアランはさっき別れたばかりだった。

「クソ、今日も空振りだ! 兄貴、俺のシマでまた動きがあってさ。ボスに呼ばれた」

アランは頷く。

「行け。気をつけろ」

アランにとって「ボス」とは、ウィリの上司のことだ。ウィリが闇に消えるのを見届けると、アランは交差点へ向き直り、家へ帰るつもりで歩き出した。

「アラン!」

ネロが店から出てきて、アランを呼...

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