第29章

三人は同時に顔色を変え、反射的に身構えた。

だが、その男はもうフードを跳ね上げていて、風のようにアランのそばへ躍り出ると、手振りで「静かに」と合図した。

「ネロ?」

ロブが思わず声を漏らす。

キンの拳が、宙で止まった。

「今なら引き返せる! アラン、見ろ。あそこは閉ざされた島だ。出入りは水路だけ。上がったら退路はない」

「誰だ?」

キンが低く問う。

「アラン。相手の人数は、お前らの見積もりを超えてる。しかも丸腰だ。このまま行けば死ぬ」

ネロは三人を見回した。

「だから、誰なんだ」

キンがアランへ視線を投げる。

「同僚だ」

アランが短く答える。

「ネロ。よろしく」

...

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