第42章

面会室のドアを開けた。

ひやりとした冷気が、正面から頬を撫でる。

向かいに座っているのは五十代半ばの男だった。頭髪は大半が抜け落ち、鉄のように灰色の眼が、じわりとこちらへ向く。次の瞬間、口元が裂けるように歪んで笑った。背筋が粟立つ。

「警官さん!」

男は醜悪な笑みのまま、アランに挨拶を投げてくる。

ヒギンズ、55歳。アランはさっき資料に目を通したばかりだ。目の前の男と、ファイルの写真を重ね合わせる。――十数年前は、どんな顔をしていた? そんなことを、思わず考えてしまう。

「俺がエミットとどうだったか知りたいんだって? 今年はエミットにちょっかい出す奴が多いらしいな?」

ヒギンズ...

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