第46章

ネロが鎖を外され、ホールへ連れて行かれたとき――また、あの男が目に入った。背が高く、否応なく視線を奪う男。

ネロは、ただ呆然と前を見た。

周囲は混乱していた。現場を片づける者がいれば、爆薬を仕掛けている者もいる。

あの男は今、そこに立って指示を飛ばしている。さっきはネロの横を素通りして鄭の様子を確かめ、今度は負傷者を運ぶ手下に口を挟んで「慎重に持ち上げろ」と命じた。最初から最後まで、ネロを一度も見ようとしない。

ネロには分かっていた。この男は鄭を取り戻しに来たのだ。自分の傍に七年いた男を。

「ヒル……俺……」

命令が一段落したところで、ネロは声を出した。

ヒルは振り向かない。

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