第58章

州警察本部の訓練場。

いくつかの大きな案件が片づいたばかりで、特勤課の空気も一時は肩の力が抜けていた。皆、空いた時間を見つけては訓練場に集まる。年に一度のボクシングと射撃の大会も、もうすぐだ。

退院したアランは、その足で射撃場へ向かった。ロブを探して中へ入った瞬間、場内の端――空いたスペースに人だかりが見える。数人が半円を作って、何かを見守っていた。

遠目にも、ロブとネロの声が聞こえた。だだっ広い室内に、わずかに反響が混じる。

「普通なら、俺が負けることはない」

ネロの声は落ち着いている。

そのあと、ロブとジムたちが何か言い合ったが、アランはすれ違った同僚に挨拶を返していて聞き取...

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