第70章

「ボス――!」

ロブは勢いよくタクシーから飛び降り、玄関に着くなり叫んだ。だが、ドアの蝶番がきい、と鳴った瞬間、その声は喉の奥でぷつりと途切れる。

アランが慌てて二階の手すりから身を乗り出した。

ホールでは、ロブが幽霊でも見たみたいにネロを凝視し、言葉の後半を丸ごと飲み込んでいる。

「……」

「よう、ロブ」

ネロが低い声で挨拶した。

「えっ……ネ……上官、お疲れさまです……」

ロブは反射的に背筋を伸ばし、ぎこちなくなる。

「ラケット、階段の下だ! 前にお前が放り投げた場所、そのまま。俺、触ってない」

アランはそう言いながら階段を下りてくる。

「お、おう」

ロブは首をこ...

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