第72章

高い高架橋の上を、風がごうごうと吹き抜けていた。

濃淡の違う二台の車。ブルーブラックとダークブラウン、二つの人影が向かい合って歩き、だだっ広い橋の真ん中でぶつかるように重なった。

周囲は空と大地ばかりで、車も人も、ひどく小さく見える。

対面した瞬間、互いにほんの〇コンマ何秒か固まった。次の刹那、二人は車の脇で抱き合った。

「ジェイス!」

「サイモン!」

アランとロブも車を降りる。

ロブは車の周りをぐるりと回り、背後の途切れた橋桁を見て、信じられないという顔をした。

アランはボンネットのそばに立ち、車の位置を確かめ、それから前方へ目をやった。

五十を少し過ぎた男。濃い茶のトレ...

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