第89章

ネロは小会議室の専用電話の前に座っていた。隣にはアラン。ガラス壁の向こうでは技術班が忙しなく動いている。

くそ……もう48時間だ。何が起きていてもおかしくない。

ネロは机上の固定電話と、自分の携帯2台を睨みつけるように見た末、ついに黒いほうの端末を掴んだ。

番号を押す。少し待つと、折り返しが来る。

「もしもし……ちょっと頼みがある。手を貸してくれないか」

ネロは立ち上がり、誰もいない休憩室へ移動する。

「ローリー。俺の部下が……マイルスの連中に攫われた」

休憩室のドアを閉め、声を落とす。

「探してほしい。場所が要る」

小会議室へ戻ってから三十分後、黒い携帯が再び震えた。

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