第96章

双子星は朝の光を浴び、硬質なガラスと鋼が眩い輝きを跳ね返していた。

昨夜の歌声が、まだどこかに残っている気がする。

早朝の特勤課。机の上には紙コップが無数に転がり、誰かが鼻歌を刻みながら行き来していた。

廊下で、アランとネロがすれ違う。

「おい」

アランが呼び止めた。

「何?」

ネロが振り返る。双子星の中で、アランが私的に自分へ声をかけてくることなど一度もなかった。周囲に人影はない。

「……昨夜、俺の元同僚が巡回してな。死体がまた二つ出た。あのクラブの件だ」

アランはネロを見据えた。

「……ああ」

ネロはすぐに腑に落ちた。

「分かった。知らせてくれて、ありがとう!」

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