第99章

鉄門の前まで追い詰められ、もう逃げ切れないと悟ったジェイスは、観念したようにその男へ歩み寄った。

男の前で身を折り、肩で息をしながら顔を上げる。若くて整った顔立ちなのに、表情だけが年齢にも容姿にも似つかわしくないほど硬い。――こいつ、本気で俺を署に突き出すつもりだ。

そう思った瞬間、ジェイスの胸にひらめきが走った。次の刹那には、厚かましい笑みが口元に貼りつく。

「返す……返すから、捕まえないで!」

息を切らしながら、懐から例の財布を取り出し、片腕を伸ばして差し出す。

「……お願いだ。俺、何でもする! 何だって!」

驚いたのは確かだろう。それでもライトの動きは迷いがなかった。受け取...

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