第10章 既視感

瀧本知暁は眉をひそめ、もう二、三度その女を見た。霞のかかった記憶の底から何かを掬い上げようとする。確かに、どこかでこの女の姿を見た気がする――だが、目の前の顔には覚えがない。

「君は誰だ」

値踏みするような声音だった。

片瀬澄乃はまっすぐその視線を受け止め、胸の奥がなぜかひくりと跳ねるのを感じた。

この男……どこかで。

どこで見た――と眉を寄せて、次の瞬間、はっとする。そうだ。瀧本知暁。今回は片瀬結希も嘘をついていなかったらしい。よりにもよって、本当に瀧本知暁とつながっていたなんて。

片瀬結希みたいな女に引っかかるなら、この瀧本社長も相当どうかしている。

そう思うと、かえって気...

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