第102章 トレンド

片瀬澄乃は一瞬きょとんとして、反射的に瀧本知暁へ視線を投げた。案の定、彼の顔色がすっと沈む。

思わずくすりと笑ってしまう。

「私は全然大変じゃないです。それより、おじい様がこの人を育ててくださったんですから……おじい様のほうが、ずっとご苦労なさったでしょう?」

瀧本おじい様は、澄乃のからかいに腹を抱えて笑った。

――この孫嫁は、本当にいい。

片瀬澄乃は少し離れた席で、子どもたちと瀧本おじい様のやり取りを眺めていた。口元が勝手にゆるむ。

こんな賑やかで、あたたかい雰囲気。自分の人生で、まともに味わったことがあっただろうか。片瀬家にあったのは、冷え切った沈黙と、終わりのない駆け引きだ...

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