第11章 就職

片瀬奏太はようやく顔を向け、車外に立つ片瀬結希を見た。瀧本知暁と瓜二つの目をぱちりと瞬かせる。何も言わない。ただ、その視線には年齢にそぐわない品定めの色がひとすじ混じっていた。

「拾った子……なの?」

結希の胸の奥で、疑いは確信へと変わる。そんな都合のいい偶然があるはずない。彼女は無理に口角を上げた。

「まあ、なんて可愛いの。知暁に、ちょっと似てるわね。私、今日は特に用もないし……一緒に家族探し、してあげようか? 私、子ども好きだし、役に立てると思うの」

車に乗り込みたい。子どもの口から探りを入れたい。あの子が、片瀬澄乃の子かどうか――。

「必要ない。もう家族は見つかった」

瀧本...

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