第115章 ネックレス

瀧本知暁の動きが、ふいに止まった。遅れて理性が戻ってくる。

いまの片瀬澄乃は、たしかに受け入れているように見える。けれど、それは酔いの中で起きていることだ。明日、目を覚ましたら――。

瀧本知暁は深く息を吸い、抗いがたいその身体から無理やり距離を取った。手のひらで乱暴に顔を拭い、窓辺へ歩く。夜風を浴び、胸の奥の熱を散らすように。

しばらくして、彼はベッドへ戻った。瞳の濁りは消え、澄んだ光が戻っている。

彼は丁寧に、澄乃にパジャマを着せ、布団を掛け直した。

そのとき、ムーンストーンのネックレスがまた目に入った。

そっと持ち上げ、細工と意匠を確かめる。

――そして。

留め具の内側に...

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