第121章 夢

「それは……」

森田伊賢は弁解しかけて、言葉を飲み込んだ。自分の行動は、どう取り繕っても筋が通らない。まさか会う人会う人に、母が何十年も伯母さんを探していたんだ、などと説明して回るのか。

「もういい。君には話しても分からない」

前谷琴音は冷えた目で森田伊賢を睨みつける。

「分からないんじゃなくて、言えないだけでしょ。やましいんだ!」

腹の底が煮えくり返る。森田伊賢はぐっと堪え、片瀬和也へ向き直った。声だけは穏やかに整える。

「和也。覚えておきなさい。自分を貫くんだ。何でもかんでもお母さんの言うとおりにする必要はない。自分の頭で判断しなさい」

片瀬和也はぱちぱちと瞬きをし、前谷琴...

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