第123章 信じてない

片瀬大介が去ったあと、瀧本知暁が控室から姿を現した。さっき大介が語っていた間、彼はずっと中で聞いていたのだ。

「どう? 真相ってやつに、さすがにショック受けた?」

瀧本知暁は片瀬澄乃の隣へ歩み寄り、からかうように言う。

澄乃は鼻で笑った。

「ショック? 吐き気しかしない」

瀧本知暁が眉を上げる。

「信じてない?」

澄乃は立ち上がり、床まで届く窓の前へ移動した。

「少なくとも、全部はね」

「だよな」

瀧本知暁は肩をすくめる。

「男ってのは、思い出の中で自分を都合よく美化するのが得意だ。『一途だった』だの『傷ついた』だの言いながら、責任だけはきっちり他人に押しつける。」

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