第127章 盗用

片瀬結希の胸がきゅっと縮む。

「……何のことですか」

白井奥さんは結希のドレスを指さした。

「まず、この刺繍。華やかではあるけれど、構図が明らかにアンバランスね。ほら、左袖のモチーフが右よりも情報量が多すぎて、全体の左右対称の美しさを壊している」

「豪華さを狙うのはいい。でも、要素をただ盛ればいいってものじゃないわ。襟元のレースと袖口のデザインが噛み合っていない。方向性が揃っていないから、散らかって見えるの」

片瀬結希の顔色が、みるみる白くなる。

「で、でも……スタッフの方たちは、すごく綺麗だって……」

脇で白岡英介が淡々と言った。

「綺麗なのと、完璧なのは別物だ。俺はデザイ...

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