第135章 髪の毛

「どこにいるの? いつになったら戻って謝るの?」

片瀬綺良が問い詰めた。

片瀬結希は鼻で笑う。

「片瀬澄乃の思いどおりになるわけないでしょ。なんで私が、あいつに謝らなきゃいけないの」

「でも家のみんなが――」

「家の連中の言うこと、あんた本気で信じてるの?」結希が言葉を遮る。「綺良。瀧本グループのほうはどう? 瀧本知暁に接触できた?」

綺良は苦く笑った。

「それが……顔すら見せてもらえない。しかも警告まで食らった」

「へえ。残念だったね」結希は淡々と言い、すぐ声の温度を変える。「でも、こっちにはチャンスがある。欲しい?」

「チャンス?」

「金を渡す。代わりに、ひとつ仕事を...

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