第142章 いなくなった

「大変! 知暁さん、澄乃さん! 裏庭を全部探したのに、奏太くんがいないの!」

「……えっ?」

片瀬澄乃の顔色がさっと失せた。勢いよく立ち上がった拍子に、椅子の脚が床をひっかいて――ギギッ、と耳障りな音が走る。

「そんな……ありえない……」

瀧本知暁も一瞬で表情を沈め、箸を置いた。

「本当に全部か? 隅まで確認したんだな」

「してます! 全部です!」

伊崎彩葉は今にも泣き出しそうな顔で首を振る。偵察任務にいた経験がある自分が見つけられないのなら、これは見失ったではなく――消えたのだ。

「執事!」

知暁の怒声が食卓を震わせた。

呼ばれる前から駆けつけていた執事と使用人たちが、...

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