第143章 子どもを探す

木漏れ日が、梢の隙間から斑に差し込み、地面に砕けた光の欠片を散らしていた。

J市北郊。街の喧騒から遠く離れた山あいの谷に、ひっそりと口を開ける岩穴がある。その入口の前を、片瀬奏太が落ち着きなく行ったり来たりしていた。

わざわざ着替えた上着のせいで、余計に子どもらしい小さな肩が強張って見える。顔には不安が貼りつき、何度も首を伸ばしては森の奥を覗き込んだ。

「……まだ来ないのかよ」

小さくぼやき、かじかんで赤くなった手をこすり合わせる。

片瀬和也の話では、パパはもう手がかりを辿って、ここまであと少しのはずだった。

岩穴の中には、祖父がつけてくれた護衛の村田雄がいる。濃い色のシェルジャ...

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