第159章 救出

瀧本知暁はただ軽く手を振っただけだった。背後の人間が一斉に動き、場にいた連中をあっという間に制圧する。そして「龍兄」は、そのまま瀧本知暁に引き渡された。

名は聞いたことがある。だが――ここまで血の匂いを好む男だとは思わなかった。

勝てる相手じゃない。けれど、こっちには片瀬澄乃がいる。

龍兄は歯を食いしばり、手にしていた薬物入りの注射器を、片瀬澄乃の腕へ突き立てた。

自分が生き残れなくても、道連れは作ってやる。

距離が近すぎた。

針先が一瞬で皮膚を貫き、冷たい液体が血管へ流れ込む。

片瀬澄乃の瞳孔が、ぎゅっと縮んだ。

その瞬間――銃声が空気を裂いた。

弾丸が注射器を撃ち抜き、...

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