第27章 人を救う

片瀬澄乃の視界の端が、壁際に立てかけられた錆だらけの鉄パイプを捉えた。岡野さんが掴みかかってきた、その瞬間――澄乃は身をひねり、鉄パイプを引っつかむなり、全身の力を込めて伸びてきた腕へ叩きつけた。

「ぐあっ!」

岡野さんが獣みたいな悲鳴を上げる。腕が一瞬で痺れたのだろう、指が開く。澄乃は迷わず身を沈め、相手の腋の下をくぐり抜けて会議室の扉へ突っ走った。

会議室の扉は古い木製で、鍵も赤錆に覆われている。

澄乃が鉄パイプを振り下ろすと、ガツンと鈍い音がして、錠はあっけなく潰れた。

押し開けようとした背中へ、岡野さんの怒号が飛ぶ。

「逃げる気か! 片瀬家、潰してやるぞ!」

「それはど...

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