第34章 守る

片瀬澄乃はパンを挟む手をふと止めた。顔には笑みを貼りつけたまま、胸の奥だけがひやりと沈む。片瀬結希が自分を陥れるような真似をした以上、子どもに手を出さない保証なんてない。

澄乃は片瀬奈菜の頭をそっと撫でる。

「そう? じゃあこれからは知らない人を見かけたら近づかないで。勝手に走って行っちゃダメ、わかった?」

「はーい!」

奈菜は大きくパンにかぶりつき、母の目に一瞬走った重さには気づかなかった。

三人を校門まで送ると、澄乃はわざと周囲へ視線を巡らせた。朝の光の中、門の前は保護者と生徒でぎゅうぎゅうだ。制服の子どもたちがランドセルを揺らしながら校舎へ駆けていく。ぱっと見は、何もおかしく...

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