第65章 購入記録

瀧本知暁の喉仏がこくりと上下した。身体をひねった拍子に生まれた気流が、片瀬澄乃の耳朶をくすぐる。

「そのネックレス、どこで手に入れた」

片瀬澄乃は火傷でもしたみたいに、ばっと手を上げて喉元を押さえた。

――そうだ。あの夜。母のブルーサファイアのネックレスをつけたまま、瀧本知暁と……。

情が深まったとき、あの男はこのネックレスに口づけた。

覚えていないはずがない。

「別に……ただのアクセサリーです」

片瀬澄乃は、さらりと誤魔化す。

けれど瀧本知暁は一歩詰めた。鼻先が、彼女の頭頂に触れそうな距離。

「俺には、やけに見覚えがある」

わざとゆっくり言葉を落とし、視線を彼女の強張っ...

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