第68章 真相

彼は冷や汗をぬぐい、早口でまくしたてた。

「6年前のあの日、片瀬さんから先に電話があって、部屋を1つ取ってくれって。しかも、人目につかない奥の部屋にしてくれ、ほかの客の休みを邪魔したくないからって念を押されたんです。夜10時過ぎにまた呼び出されて……封筒を渡されました。中は現金で、『岡野』って男を1808号室へ連れていけ、と」

「岡野の男?」

瀧本知暁が食い下がる。指の関節が、うっすら白くなる。

「はい。建材の商売をしてる岡野さんです。見た瞬間に、ろくでもないって分かるタイプで……」

吉田敬はごくりと唾を飲み込んだ。

「片瀬さんは、『部屋の中でどんな物音がしても、誰も行かせるな』...

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