第71章 後ろ盾

一同は声のしたほうへ振り向いた。

そこに現れたのは、黒いスーツに身を包んだ伊崎大輝だった。表情ひとつ変えずに歩み寄り、片瀬結希の前で足を止める。視線には、温度がない。

「瀧本社長は海外で公務中です。伝言を預かっています。今日から、いかなる名目でも瀧本社長と関係があるような言い方はやめてください。まして、その名前で誰かを脅すなど論外です」

伊崎大輝は一拍置き、声をさらに冷たく落とした。

「社長はこうも言っていました。まだ分別がつかないなら、瀧本グループのリソースを使って、片瀬家をJ市から消すことも厭わない、と」

「……うそ……そんな、ありえない! 知暁が、私にそんなことするわけ……!...

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