第6章

 中央ギャラリー。クリスタルのシャンデリアが、会場全体を目が眩むほどの白さで照らし出している。

 会場は立錐の余地もないほどだ。画商、批評家、コレクター、そしてメディア関係者たち。誰もが、グラスに注がれた高級な酒を手にしている。

 真樹はステージの中央に立っていた。白いスーツに、撫でつけた髪。顎を絶妙な角度で傾けている。憂いを帯び、情熱的で、そして儚げ。彼のお決まりのスタイルだ。

「今夜は、お集まりいただきありがとうございます」彼はシャンパングラスを低い位置で持ち、囁くような声で語り始めた。「ここ数週間は……僕の人生で最も辛い日々でした。娘の莉々が……事故に遭ったのです」

 彼は言葉...

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