第102章 金を図らずして何を図る

風間悠希は相手が七海だと分かると、鼻で笑った。

「七海、ずいぶん偉くなったな。そんなこと、自分で俺に言いに来ないで、あいつに言わせるのか。だったら教えろよ。そいつが誰なのか。いったいどこの誰が、俺にそんな口を利ける胆があるのか――見てやる」

受話器の向こうで、七海はちらりと横を見た。隣では石川翼が腹を抱えて笑っている。

――元はと言えば、こいつが蒔いた種のくせに。後始末は私、ってわけ?

七海は大きく息を吸い、声の震えを押し殺してから、静かに言った。

「必要ないわ。あなたと彼が顔を合わせる機会なんて、絶対に作らない」

一拍置いて、七海は続ける。

「でも、彼の言ったことは間違ってな...

ログインして続きを読む