第109章 実の娘を見て見ぬふり

水原雪乃はその言葉を聞くなり、下唇をぎゅっと噛んで水原母を睨みつけた。

「ほんと、滑稽ね! 実の娘のことは見えてないくせに、養女のことは手のひらで大事にして。でも――哀れだとも思う」

もう取り繕う気などない。雪乃は仮面を投げ捨て、言葉を叩きつける。

「あなた、本当にあの子のこと見抜けてる? 七海が誘拐されたあと、どうしてあんな都合よく“そこ”に現れたのか、考えたことある? そのまま水原家に入り込んで、七海の居場所をまるごと奪った。七海が戻ってきてからも、ずっと執拗に狙い撃ち。最初から全部、わざとよ。あなたが思ってるみたいに“純粋”なんかじゃない!」

水原母は微動だにせず、きっぱりと言...

ログインして続きを読む