第119章 水原母の違和感

ほかの名家とは違う。

水原父と水原母は、たしかに家同士の縁談で結ばれた夫婦だった。けれど、結婚の前から二人にはちゃんと情があった。

水原父が、水原母に一目惚れしたのだ。

それから何年経っても、二人は変わらず仲睦まじいまま。

何が起きても、水原父は水原母の言葉を最優先にする。彼女が言えば、それが正しい。そう信じて疑わない。

だからこそ、水原父は長年、友人たちとの付き合いもほとんど絶ってきた。たまに連絡が来ても、家のことを第一にして断る。いつだって「家庭」が先だった。

そんな水原母が、彼に外へ出ろと言う。

――よほど厄介なことが起きているに違いない。

「お前……」

言い終える前...

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